竹屋ビルについて

父がこちらで医院をしておりました頃は大黒柱のある木造の屋敷でございまして、2階には廊下が3本ございました。外側の廊下は湯に行き交う人を眺め、中央の廊下は2つありました階段を結ぶ通路となっており、家の内側の廊下は中庭を2方向から眺めできるようになっておりました。また1階の窓の外にありました欄間よりお遍路さんやお坊さんの修行者を目にしたものでございます。つねにからんからんと下駄の音がここちよく路に響き、ときおり鈴の音がちりんとかすかになりますと玄関の引き戸を開け、そっとお米などを入れたものでございます。父はそれはそれは地元の人たちに親しまれ、病んでいる人を助け"道後の赤ひげ"とよばれたものでございます。1階に土間や井戸があり中庭のやわらかい日差しのかんじられる住居空間でした。そのなごりを残し中庭に竹を植えるというところからビルは設計始められました。建築設計は上野貴建築研究所の所長で建築家上野貴氏にお願いしました。地元愛媛では郵便局や美術館などハードで強固な素材と自然を調和する建物など多く手がけており、若手で味わい深い建物を設計されると、大変注目され活躍されております。風情を残した道後の街づくり、湯の町にも積極的な理解があり、この竹屋ビルは、上野氏の吹き込んだ設計により、そもそも存在していた家の空気を新たに固めた建物に仕上がったと思っております。斬新で生活に密着したシンプルな空間はまさに竹そのものに似ていると感じます。中庭には先代からの井戸を残し、植えました竹もすくすく伸び4階の屋根をさらにあおぎ、5階建ての高さにもなっております。たけのこもすでに5本眺めることがございました。

 

  

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